性感染症の見落としがちな感染経路

性感染症の感染はコンドームの装着でかなり感染を回避できますが、
万能ではありません。

 

次にような一部の性感染症については性行為以外の経路でも
感染する可能性がありますので注意しましょう。

 

○ 梅毒
感染リスクは高くはありませんが、お風呂場やプール、
体液のついたタオルや下着から感染するケースもまれに
ありますので、清潔な環境での生活が求められます。

 

梅毒トレポネーマという微生物が原因で起こる性感染症です。

 

 

○ HIV感染症(エイズ)
感染力は弱いですが性器や口腔粘膜に傷などがあると感染率は
高くなります。

 

使用する薬物注射の使い回しも考えられます。

 

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した状態をHIV感染症と呼び、
これが進行すると免疫力の低下によりさまざまな感染症状を
引き起こしエイズに至ります。

 

 

○ 毛ジラミ症
お風呂場、シーツやタオルから感染することもあります。
洗浄済みの清潔な用具の使用を心掛けます。

 

毛ジラミという2ミリほどの小さな虫が原因の感染症です。
通常は陰毛の生えている部分を中心に体にかゆみが生じます。

 

○ 膣トリコモナス感染症
感染力が比較的強く、共用施設のトイレやお風呂場などで
感染するケースも報告されています。

 

 

○ 膣カンジダ症
カンジダとはカビの一種で、これが増殖して起きた症状です。

 

抵抗力や体力の低下、妊娠期間中に発症する膣カンジダ症は
もともと女性の多くが保有する常在菌です。

 

健康状態で免疫力が正常ならば発症することはありませんが、
長期の治療期間中や抗生物質の継続服用、膣環境の変化などが
原因でカンジダ菌が膣内や外陰部で増殖するケースがあります。

 

女性の場合は性行為で感染するより、そのように体内で増殖する
ケースが多い病気です。

 

性感染症は放置しておいても自然治癒することはありませんし、
検査をしないと確定できない病気です。

 

HIV以外の性感染症は早期に検査して抗生剤の服用や注射などの
治療を受ければ、短期間で完治する疾患がほとんどです。

 

ただし初期症状が一過性で治まったり発症しない場合も珍しくなく、
症状が重篤化して将来の妊娠や出産に影響することもあります。

 

性器のかゆみや痛み、おりものの変化などで「おかしいな」と
感じる症状がある時は、早めに検査や医療機関で受診することが
大切です。